県活動報告
平成30年度 九州ブロック看護管理者等政策セミナー(その1)
開催日: 2018年11月24日(土) 25日(日)
会 場:福岡リーセントホテル
目 的:1)組織を強化し、自立した組織、会員を育成する
2)看護管理者等の政治への関心を高める
11月24日(土)、25日(日)の2日間、九州各県から看護管理者の方々をはじめ、看護教育に携わられている方々など49名が参加され研修会が開催されました。
この研修会は、九州各県で担当を持ち回りして開催されるものです。今回は、宮崎県看護連盟が担当させていただきました。
ご講演の内容の一部をご紹介させて頂きます。
日本看護協会副会長
秋山 智弥 先生
「日本看護協会の看護政策」
<ご講演内容(一部抜粋)>
日本各地で高齢化が進む中で、患者像も変化しています。「治す医療」から「治し支える医療」に向け、地域で暮らす人々をどのように支えるかの視点が重要となってきます。また、地域包括ケアシステムの構築が推進され、「病院完結型医療」から「地域完結型医療」への転換が求められている現代において、各病院は、地域のニーズを踏まえたうえで、病院の役割を再構築する事がもとめられます。病院の再構築と同時に、地域の他の機関との連携強化など地域おける多職種連携の推進が求められます。
日本看護協会は、以下4つの重点政策・事業に取り組んでいます。
1.看護基礎教育制度改革の推進
2.地域包括ケアにおける看護提供体制の構築
3.看護職の働き方改革の推進
4.看護職の役割拡大の推進と人材教育
看護職が専門職として、変化する医療・社会に期待される役割を果たせるよう、「人材育成」や「働き続けられる職場づくり」の取り組みを続けていきます。
政策研究大学院大学教授
島崎 謙治 先生
「医療政策の動向と課題 人口構造変容の課題とインパクト」
<ご講演内容(一部抜粋)>
2025年、「団塊の世代」が75歳に達します。医療技術の進歩等により医療・介護の給付費は増大。社会保障の持続可能性の議論の焦点は年金よりも医療・介護に移行することが予測されます。社会保障とりわけ医療・介護にとって、これまで以上に「質の向上」「アクセスの確保」「コスト(効率性)」、この3つの課題のバランスに加え、医療・介護の人的資源、特に介護の人手不足がさらに深刻化するでしょう。人的資源を外国人労働者で補填し、外国人労働力に過度な期待をする事は禁物です。生産性の向上をいかに図れるかが鍵となります。
「医療・介護の再編を進めるためには何が必要か?」
1.地域の医療・介護の現状および将来像の共有化
2.診療報酬・介護報酬「一本槍」の政策手法からの脱却
3.総合企画・調整能力を有する自治体職員の育成。
地域における多職種連携は「重要」ではなく、「必須」です!
参議院議員
石田 昌宏 先生
国政報告
先日、参議院厚生労働委員会の委員長に任命され、更に多くのことを勉強させていただいています。
2018年6月29日、参院本議会で「働き方改革関連法案」(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)が可決・成立しました。同法案は、雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法(パート法)、労働契約法、労働者派遣法の労働法の改正を行う法律の通称です。これに伴い、企業は2019年4月の施行へむけての対応が必要となります。
看護職にとって関わりが深い法律は、平成4年6月に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」です。この法律の「目的」の中に、「資質の向上」と明記されている事でこれまで様々な「資格」「質」の改革が進められてきました。しかし、介護福祉士の人材確保策の中には「資質」と明記されていないことで、外国人労働者への労働力移行が進んでいます。これからさらに人材不足が深刻化する看護現場においては、各々の生活スタイルに合わせた働き方も必要となってくるでしょう。例えば、「採血担当看護師」「見守り看護師」「傾聴看護師」「散歩付き添い看護師」など、20歳代から80歳代までの看護職が個々の能力を活かせる働き方もあるでしょう。
宮崎県看護連盟
県央第3支部
支部長
弓削正樹