支部活動報告
清武町に訪問看護ステーション開設
県央第3支部
開催日: 2018年04月18日(水)
清武町に「訪問看護ステーション おあふ」が開設されました。
精神科の分野が中心となり、宮崎市内だけではなく西都市や綾町まで足を運んで訪問看護を提供されています。
代表取締役である梅原敏行様のお話を伺いに、宮崎県看護連盟の渡部会長とお伺いしました。
実は梅原敏行様。宮崎県看護連盟の青年部でご活躍されている、梅原広幸さんとご兄弟になります。
「訪問看護ステーション おあふ」は、看護師3名で開設され、うち2名の方は精神科認定看護師の資格を取得され開設前から幅広くご活躍されています。これまでのご経験を基に、地域包括ケアシステムの構築とより良い看護の提供のために開設されました。
現在は、20〜30件/月の訪問をされていますが、開設するまでにも大変なご苦労もあられたようです。
まずは、資金の問題です。開設前はもちろん、開設してからも資金が必要となります。宮崎県は、補助制度を設けていますが、今回の開設に補助条件は適応されないケースであったと伺いました。
主に精神科疾患への訪問看護ということで次の様な悩みをお聞きする事ができました。
1.1人での訪問の危険性
これは、精神科に特化してことではありません。全国の訪問看護でも重要な問題として取り上げられています。男性看護師が全体の2割になっているとはいえ、まだまだ女性の方が多い事が現状であり、利用者からのセクハラ行為、暴力行為などは後を絶ちません。特に訪問看護となると1人での訪問がほとんどです。2人での訪問に対して加算がありますが、利用者の負担額が増える事で訪問看護サービス事態を中止しなければならなくなるケースも考慮しなくてはいけません。
2.移動時間
利用者の住む地域に必ずしも必要なニーズに適応できる訪問看護ステーションが設置されているわけではありません。また、本人やご家族の希望やケアマネジャーの判断で必ずしも自宅近くの訪問看護ステーションが担当するとは限らないのが現状です。今回訪問させていただいた「おあふ」も清武町から西都市や綾町などにも利用者がいらっしゃるため、1回の訪問で約2時間の移動時間を考慮しておく必要があります。
3.看護師不足
24時間体制での訪問看護となると「看護職の人材確保」が急務です。3名のスタッフで24時間は非常に厳しい環境といえます。しかし、利用者には「〇〇さんが良い」というニーズもあることから人員配置にも配慮が必要となります。
このような問題点を抱えながらも、訪問看護ステーションとしてだけではなく「地域の方々のために」という強い思いをもたれています。
ステーション内のスペースを活かして勉強会などを企画・開催し、地域の方々や医療従事者の方々と顔の見える関係性を築けるよう活動の場を更に広げられる予定です。
今回、大変お忙しところ貴重なお時間を頂けた事に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
*精神科認定看護師制度
http://www.jpna.jp/education/certified-nurse.html
*平成30年度訪問看護ステーション等整備費補助金・対象事業の公募について
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/choju/kenko/koresha/houmonkango.html
宮崎県看護連盟 県央第3支部
支部長 弓削正樹